日本植物生理学会年会およびシンポジウム 講演要旨集
第46回日本植物生理学会年会講演要旨集
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シロイヌナズナにおける Ac/Ds トランスポゾンタグラインを用いたapg mutantの解析
*岡田 恵里本橋 令子黒田 浩文永田 典子篠崎 一雄
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p. 825

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抄録
 我々は、シロイヌナズナDs挿入変異体のリソースの中からアルビノやペールグリーンの表現型を示すapg (albino or pale-green) mutantを多数スクリーニングした。本大会において、単離した変異体のうち、apg4apg9 の解析結果について報告する。
 apg4は、双葉がアルビノ表現型を示し、本葉は黄色と緑色の斑入りの表現型を示す。しかし、種子形成は可能である。プラスチドの形態を観察したところ、双葉ではラメラ構造がなく、本葉では細胞により正常なプラスチドとラメラ構造を持たないプラスチドが観察された。また、 apg4はribosome binding factor A (RBFA) と相同性をもつ遺伝子のプロモーター領域にDsが挿入していた。
 RT-PCRによりapg4の原因遺伝子であるRBFA遺伝子が発現していないことを確認した。RBFA遺伝子にT-DNAが挿入した変異体の双葉がペールグリーンの表現型を示したことから、apg4の原因遺伝子がRBFAである可能性が示唆された。
 apg9は、アルビノの表現型を示し、プラスチドを観察したところラメラ構造がなかった。Dsの挿入位置が遺伝子コード領域内ではなかったため、現在、apg9の原因遺伝子の同定を行っている。
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© 2005 日本植物生理学会
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