日本植物生理学会年会およびシンポジウム 講演要旨集
第46回日本植物生理学会年会講演要旨集
会議情報

Physcomitrella patens プラスチドDNAマイクロアレイを用いたアルギニンtRNA-CCGノックアウト株の解析
*中村 崇裕杉浦 千佳小林 勇気杉田 護
著者情報
会議録・要旨集 フリー

p. 826

詳細
抄録
コケ植物であるPhyscomitrella patensは逆遺伝学による遺伝子破壊が可能なモデル植物である。この植物では核とプラスチドゲノムでの遺伝子破壊が可能である。我々はP. patensプラスチドゲノムにコードされる全遺伝子の転写物を解析することが可能な108 DNA断片からなるDNAマイクロアレイを作成した。このマイクロアレイを用いて、プラスチドゲノムコードのアルギニンtRNA-CCG遺伝子を破壊した植物体中の転写物を解析した。その結果、ノーザン解析で明らかになっていた知見、rbcLpsaI 転写物の野生株と同レベルの蓄積、および破壊株中でのaccD 転写物の上昇、をマイクロアレイ解析でも観察した。さらにほとんどのプラスチド遺伝子の転写物の蓄積レベルが変わらなかったことから、P. patensプラスチドゲノムに存在しているtRNA-CCG遺伝子はプラスチド遺伝子の発現に必要ないことを強く示唆した。
著者関連情報
© 2005 日本植物生理学会
前の記事 次の記事
feedback
Top