日本植物生理学会年会およびシンポジウム 講演要旨集
第46回日本植物生理学会年会講演要旨集
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ヒメツリガネゴケのgermin-like proteinファミリーの解析
*中田 克櫻井 暢子後藤 麻美松崎 雅広高橋 陽介佐藤 敏生
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p. 837

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抄録
germin-like protein(GLP)は陸上植物に普遍的に存在しており、ゲノム内で大きな遺伝子ファミリーを形成していることが知られているが、その生理機能は明らかにされていない。我々は陸上植物にのみ存在するGLPの生理機能を明らかにするために最初の陸上植物であるコケ植物に注目した。蘚類ヒメツリガネゴケのESTデータベースからヒメツリガネゴケGLP(PpGLP)をコードするクローンを77個見出し、7種類に分類した。系統解析によりPpGLPは2つのサブファミリー、bryophyte subfamily 1、2を形成した。これらのsubfamilyはコケ植物のGLPのみで構成されており、高等植物のGLPは含まれなかった。bryophyte subfamily 1のPpGLPでは12アミノ酸が欠失しており、GLPに保存された2つのシステインが存在しなかった。また、bryophyte subfamily 1のPpGLP遺伝子にはイントロンがあるが、bryophyte subfamily 2のPpGLP遺伝子にはイントロンが無かった。これらの結果はbryophyte subfamily 1に属するPpGLPが高等植物のGLPとは大きく異なることを示唆している。さらに、bryophyte subfamily 2に属するPpGLP6が細胞外Mn-SOD活性をもつことを明らかにした。
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© 2005 日本植物生理学会
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