日本植物生理学会年会およびシンポジウム 講演要旨集
第46回日本植物生理学会年会講演要旨集
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アサガオ(Pharbitis nil)の花芽形成誘導時に特異的に発現する遺伝子の研究
*梅原 由佳上畠 雄一郎樽井 裕平澤 栄次
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p. 838

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抄録
植物の花芽形成は、日長や温度、湿度、植物体の大きさや植物ホルモンなどのさまざまな外的・内的因子により制御されている。なかでも日長はもっとも盛んに研究されている花成制御因子であり、植物は一日の日長変化を感知し、花芽形成が誘導される。
我々は絶対短日要求性をもつアサガオムラサキ(Pharbitis nil var. violet)を用い、花成誘導にともなって特異的に発現する遺伝子を単離し、詳細に調べた。花成誘導暗期を与えたアサガオ子葉で発現する遺伝子E35は、アミノ酸配列レベルでシロイヌナズナのsugar transporterやanion transporter、cation transporterと類似しており、9つの膜貫通部を持つ膜タンパク質であることが予想された。またRT-PCRにより、根や茎に比べて子葉に多く発現することが明らかになった。
一方、花成誘導暗期を与えたアサガオ茎頂で特異的に発現する2-43はアミノ酸配列レベルでタバコやシロイヌナズナのProtein phosphatase 2Cと相同性が高く、核局在シグナルがあることから転写調節に関わるタンパク質をコードしている可能性が示された。さらに、2-43遺伝子の上流には光やABA、GA、エチレンの応答に関わる短いcisシグナル配列が存在し、さまざまな因子が2-43の発現調節に関わることが示唆された。
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© 2005 日本植物生理学会
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