抄録
F-boxタンパク質はユビキチンシステムのE3の一つであるSCF複合体の構成タンパク質であり、ユビキチン化の標的タンパク質に対するレセプターをして働く。我々は、BLAST解析とそれに引き続くPfam、SMARTによるドメイン解析からシロイヌナズナゲノムに存在するF-boxタンパク質を568個予測している。予測した遺伝子の殆どが機能未知であることから、我々は、逆遺伝学的解析によりF-boxタンパク質の機能解析を行なっている。タンパク質が生理的機能を持つには、細胞内での局在が重要であり、細胞内局在はタンパク質の機能予測を行なう上での重要な情報となるが、F-boxタンパク質の機能の細胞内局在解析は殆ど行なわれていない。そこで我々は機能未知のF-boxタンパク質の機能を探るため、細胞内局在解析を開始した。まずコンピュター解析を行ない、シロイヌナズナF-boxタンパク質は核、細胞質、細胞膜、オルガネラなどに局在することを予測した。また、実験的に局在を明らかにするために、35Sプロモーターで発現させたGFPとの融合タンパク質をタマネギ表皮細胞またはシロイヌナズナで発現させ、その局在を解析している。