日本植物生理学会年会およびシンポジウム 講演要旨集
第46回日本植物生理学会年会講演要旨集
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天然および人工基質を用いたクロロフィル分解酵素,Mgデキレターゼの探索
國枝 正天野 豊己*塩井 祐三
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p. 851

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抄録
クロロフィルの分解初期において,クロロフィリドaから中央のMg原子が脱離し,フェオホルビドaが生成される.我々は低分子物質MCS(metal-chelating substance)のみがMg脱離反応に関与することを報告してきた.今回,そのMCS以外にMg脱離反応を担う成分は無いのかを再検討するために,シロザの全粗抽出液を用いてゲル濾過クロマトグラフィーを行い,その全フラクションを網羅するように天然および人工の両基質についてMg脱離活性を測定した.その結果,人工基質でのMg脱離活性は幅広く分布したのに対して,天然基質ではMCSだけがMg脱離活性を示した.また,Mg脱離反応にはペルオキシダーゼ(POD)が関与するという報告もされており,POD活性をもつグルタチオンS-トランスフェラーゼと合わせて検証したところ,これら酵素は天然基質に反応しなかった.これらのことから,クロロフィル分解においてMg脱離反応にはMCSのみが関与していることが強く示唆された.
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© 2005 日本植物生理学会
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