日本植物生理学会年会およびシンポジウム 講演要旨集
第46回日本植物生理学会年会講演要旨集
会議情報

バラのアントシアニン生合成における配糖体化反応について
*緒方 潤菅野 善明津川 秀仁鈴木 正彦
著者情報
会議録・要旨集 フリー

p. 860

詳細
抄録
 アントシアニジンの配糖体化はアントシアニジン自身の安定化・水溶性化の役割を果たし、結果として花色の多彩さにも寄与している。バラは紫、赤、ピンク、オレンジと花色の多彩さはあっても、その主要なアントシアニンはCyanidin 3,5-O-diglucoside (Cy3,5G)である。
 これまでの研究により、アントシアニジンはその3位が最初に配糖体化されるという生合成経路が植物において共通であると考えられている。バラにおいても3位の配糖体化、その後の5位の配糖体化が起こると考えられるが、バラの糖転移酵素の単離や遺伝子のクローニングはなされていない。
 そこで、バラ花弁より粗酵素液を調製し、配糖体化反応を調べた。その結果、Cyanidin (Cy) を基質とした場合、反応産物としてCy3,5Gが検出されたが、Cyanidin 3-O-glucosideを基質とした場合、反応産物は検出されなかった。Cy基質における反応中間体の解析により、その中間体はCyanidin 5-O-glucoside (Cy5G)であることが明らかとなった。また、Cy5Gを基質とした場合、Cy3,5Gが反応産物として検出された。即ち、バラアントシアニン生合成においては、アントシアニジン生合成後、5位の配糖体化、その後の3位の配糖体化が起こるということが示唆された。この結果は実験に用いた9品種全てのバラで共通であった。
著者関連情報
© 2005 日本植物生理学会
前の記事 次の記事
feedback
Top