日本植物生理学会年会およびシンポジウム 講演要旨集
第46回日本植物生理学会年会講演要旨集
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シロイヌナズナのスフィンゴシンキナーゼ遺伝子の機能解析
*今井 博之西浦 英樹
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p. 869

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抄録
スフィンゴシン1-リン酸(S1P)は、シロイヌナズナの気孔孔辺細胞におけるアブシジン酸(ABA)情報伝達ネットワークにおいて、気孔の閉鎖時に観察されるCa2+の動員に関与する情報伝達物質の一つである。しかし、S1Pの細胞内レベルを決定すると思われる酵素遺伝子の分子機構の詳細は不明である。我々は、シロイヌナズナを用いてラットのスフィンゴシンキナーゼ(mSPHK1)と相同性のあるcDNA(AtLCBK1)を単離した。AtLCBK1遺伝子は、第5染色体上に存在する(AT5g23450/K19M13_8; accession no. AY139759)。大腸菌内で発現させたAtLCBK1組換えタンパク質を用いて、様々なスフィンゴイドと[32P]ATPを基質としてin vitroで酵素活性を測定した結果、AtLCBK1はD-erythro-ジヒドロスフィンゴシンを基質とするが、 N-アセチルジヒドロスフィンゴシンやD-threo-ジヒドロスフィンゴシンを基質としなかった。AtLCBK1の乾燥ストレスでの発現を調べるために、シロイヌナズナの芽生えを寒天プレートで育成し、ふたを開けることで乾燥ストレスを与えたところ、AtLCBK1のmRNA量がわずかに増加したもののほとんど変化しなかた。この結果は、乾燥ストレスがAtLCBK1の転写レベルでの発現に影響を与えないことを示唆する。本大会では、RT-PCR分析によって得られた、根の成長に伴う遺伝子発現の計時変化、ABA処理による遺伝子発現の計時変化、器官特異的な発現解析結果についても報告する予定である。
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© 2005 日本植物生理学会
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