理学療法学Supplement
Vol.30 Suppl. No.2 (第38回日本理学療法学術大会 抄録集)
セッションID: TP612
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健康増進
糖尿病予防教室への関わり
第2報;修正内容での再検討
*伊藤 俊一隈元 庸夫
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キーワード: 糖尿病, 予防教室, 運動量
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抄録
【はじめに】 演者らは、平成11年より苫小牧保健センターで開始した糖尿病予防教室(以下、教室)に参加し、第36回本学会にて運動の継続性、運動の内容の吟味と漸増の重要性を報告した。しかし、教室開始当初は参加者に糖尿病者も含まれており、平成12年度(以下、12年)、平成13年度(以下、13年)、平成14年度(以下、14年)は糖尿病予防目的をより明確化すべく、対象と検討内容に若干の修正を加えた。 本報告の目的は、修正した予防教室で得られた結果を基に、糖尿病予防のための効果を再検討することである。【対象と方法】 参加者は、12年からは予防目的のため、境界型に属するか、正常型でもBMI25以上の単純肥満者とした。参加数は、12年25名、13年28名、14年25名の計81名であり、平均年齢は、各々63.4歳、62.2歳、62.0歳であった。 教室の内容は、1クール6ヶ月間で、スタッフは医師、保健士、栄養士、理学療法士とした。内容は、基礎知識教育、栄養と運動に関する指導、調理実習体験、最終懇談と再指導の1クール4回を1回2_から_3時間の内容で行った。検査項目は、12年から第1、4回目受講時にブドウ糖負荷試験を加え、HbA1C、TG、BMI、体脂肪率と、質問紙を用いた食事を含めた生活状況とした。12年は、正常型12名、境界型13名、13年は正常型12名、境界型16名、14年は正常型11名、境界型14名であった。 運動は、スズケン社製加速度センサー付万歩計を用い、運動内容は歩行と足踏みを中心に指導し確認した。運動時間や運動量は、性別と年齢、さらに生活状況を加味して個別指導した。さらに14年からは、質問紙を用いて食事状況を毎回再確認し、栄養士による個別指導による食事療法を強化した。 以上の内容で、予防教室前後の運動量と検査値の変化をt-検定を用いて有意水準を危険率5%未満として検討した。【結 果】 全参加者において、糖尿病型への移行は皆無であった。 1クール6ヶ月の教室参加の間に、12年は正常12名中3名が、13年は12名中2名、14年は11名中1名が境界型に移行したが、12年は境界型13名中5名、13年は16名中5名、14年は14名中7名が正常型へ改善を示した。改善を示した群の年齢は、有意に若く、さらにHDL-Cの有意な増加を認めた。また、14年に改善を示した群では、体重の有意な減少と歩行数の有意な増加を認めた。【考 察】 以上の結果から、半年間でたとえ4回だけの教室であっても食事状況の再確認による適切な修正と、適度な運動量の増加により、糖尿病予防効果が認められるものと考えられた。しかし、その効果は年齢の若い対象者ほど著明であり、今後より運動量を調整しやすい座位エクササイズの導入など、高齢者に対する運動法の再検討の必要もあると思われる。
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© 2003 by the Sience Technology Information Society of Japan
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