日本植物生理学会年会およびシンポジウム 講演要旨集
第46回日本植物生理学会年会講演要旨集
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環境情報とかたち作りとを結ぶCOP9シグナロソームの新規制御メカニズムの解析
*柘植 知彦堂前 直Ning Wei岡 穆宏
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p. 870

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抄録
 COP9シグナロソーム(CSN)は、植物の光形態形成を抑制する核内タンパク質複合体である。シロイヌナズナのcsn変異体が暗所で明所形態を示すため、CSNは光とかたち作りとをつなぐ重要な制御因子と考えられる。これまでにCSNが、ユビキチン・プロテアソーム系のタンパク分解調節を介して、光や植物ホルモンなどの情報伝達経路を制御し、器官形成やストレス応答に不可欠であることが明らかになった。
 CSNによる制御の分子機構を詳細に解析するために、CSN1サブユニットに着目して解析を進めた。その結果CSN1のN末端部位(CSN1N)が動物のJNK1/SAPK情報伝達経路において、JNK1の蓄積量の減少を介してc-Junのリン酸化を抑制し、転写抑制機能を示すことを解明した。この抑制がタンパク分解系を介さない新規の制御であることが強く示唆されたので、CSN1Nに直接結合する因子(NBP)群を動物培養細胞より生化学的に単離した。同定されたNBP群は、転写やmRNAのプロセシングに関わる調節因子、シャペロニン、機能未知のタンパク質等を含み、CSNの新たなメカニズムを示唆している。
 この知見に基づいて、シロイヌナズナでNBP群の相同遺伝子群とその遺伝子における変異体の同定を行ない詳細に解析している。シロイヌナズナの系の利点を活かして、CSNが個体レベルで担う新たなメカニズムを解明する試みについて報告する。
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© 2005 日本植物生理学会
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