日本植物生理学会年会およびシンポジウム 講演要旨集
第46回日本植物生理学会年会講演要旨集
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葉と根の間でのシステミックな傷応答遺伝子発現の解析
*長谷川 聡子山口 和男西内 巧
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p. 888

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抄録
植物は、葉に傷を受けると、傷口付近の組織で起こる局所的な防御応答とともに、傷を受けていない離れた葉にも情報が伝達されて全身的に防御応答が誘導されることが知られている。我々はこのような葉と葉の間での応答に加えて、根に傷を付けた個体の無傷の葉でもシステミックな遺伝子発現応答を示すことを見出した。本研究では、このような傷によって誘導される根から葉へのシステミックな遺伝子発現応答について、シロイヌナズナを用いた包括的な発現解析を行った。アジレント社のシロイヌナズナ・マイクロアレイ(22k)を用いて、根に傷を付けた時の葉での30分後の応答について解析を行い、5倍以上の顕著な応答を示す36遺伝子を同定した。これらの中には、AtERFやWRKYなどの防御応答に関わると思われる転写因子をコードする遺伝子に加えて、ジャスモン酸(JA)の生合成に関わると思われる遺伝子やJA応答性遺伝子が多く含まれており、器官間のシステミックな傷応答にもJAが関与している可能性が示唆された。また、JA欠損変異体及びJA非感受性変異体を用いた解析から、これらの遺伝子は、JA依存性経路、もしくはJA非依存性経路による制御を受けるものに大別され、JA関連遺伝子については、JA依存性経路による発現制御を受け、また傷を受けた葉でより顕著な局所的な発現応答を示すことが分かった。
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© 2005 日本植物生理学会
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