日本植物生理学会年会およびシンポジウム 講演要旨集
第46回日本植物生理学会年会講演要旨集
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イネ科植物の鉄吸収にかかわる新規bHLH型転写因子の解析
*小郷 裕子板井 玲子中西 啓仁井上 晴彦小林 高範高橋 美智子森 敏西澤 直子
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p. 889

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抄録
当研究室の小林らによって鉄欠乏応答性シスエレメントIDE1、IDE2が同定されたが、イネ科植物の鉄欠乏応答における遺伝子の発現制御機構については未だほとんどわかっていない。本研究では、鉄吸収にかかわる遺伝子群の発現制御機構を解明するため、経時的にサンプリングしたイネを用いてマイクロアレイ解析を行い、鉄欠乏誘導性転写因子を検索した。いくつかの転写因子遺伝子の発現が鉄欠乏により誘導されていた。特に、bHLH転写因子をコードする遺伝子(IRO2)は、地下部・地上部ともに、鉄欠乏初期から非常に強く発現誘導されていた。IRO2の発現上昇は、亜鉛、銅、マンガン欠乏では誘導されず、鉄欠乏に特異的であることが確認された。この遺伝子のホモログをオオムギから単離した。発現パターンはOsIRO2と同様であった。コムギ、トウモロコシ、ソルガムにはIRO2のホモログと考えられるESTクローンが存在することから、IRO2は単子葉植物に広く保存されていることが示唆された。IRO2のDNA結合配列をCyclic Amplification and Selecting Targets (CASTing) 実験により決定した。その結果、IRO2はG-box (CACGTG) を含む [ACCACGTGGTTTT] という配列に結合しやすいことがわかった。この配列は、いくつかの鉄吸収に関わる遺伝子の上流に存在し、IRO2が鉄欠乏条件下でこれらの遺伝子発現を制御する可能性が示唆された。
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© 2005 日本植物生理学会
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