日本植物生理学会年会およびシンポジウム 講演要旨集
第46回日本植物生理学会年会講演要旨集
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鉄欠乏誘導性のイネ科bZIP型トランスファクターの解析
*板井 玲子中西 啓仁井上 晴彦小郷 裕子小林 高範高橋 美智子森 敏西澤 直子
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p. 890

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抄録
鉄欠乏ストレスにより非常に多くの遺伝子が発現変動するが、これらの遺伝子の鉄欠乏応答のメカニズムについてはよくわかっていない。オオムギから単離されたHvIRO1はbasic leucine zipper protein (bZIP)をコードし、維管束形成への関与が報告されるbZIPのグループに属する。鉄欠乏処理をした根におけるHvIRO1の発現は処理の初期に上昇したが、数日で鉄十分条件での発現レベルにまで減少した。イネにも非常に相同性の高いOsIRO1遺伝子が存在し、その発現はオオムギと同様に鉄栄養によって制御されていた。OsIRO1の鉄欠乏応答に関わる機能を明らかにするために、bZIPドメインを含む不完全なOsIRO1遺伝子を過剰発現させたドミナントネガティブ(DN)形質転換イネを作成した。シビアな表現型を示したDN再生体は矮化し、不稔であった。また、葉が展開しきった後には常時乾燥した状態となり、葉の上表面に存在する機動細胞列が縮まった様子が観察された。強い表現型を示さなかったDNイネを材料に、鉄欠乏条件におけるDNの効果をマイクロアレイ解析した。当研究室ですでに確認されていた鉄欠乏誘導性遺伝子の多くは、DNイネでも鉄欠乏によって誘導を受けた。しかし、いくつかの遺伝子ではDNイネの根での鉄欠乏誘導性を失う、あるいは野生株では起こらなかった鉄欠乏誘導性を示すなどの興味深い差を示した。
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© 2005 日本植物生理学会
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