日本植物生理学会年会およびシンポジウム 講演要旨集
第46回日本植物生理学会年会講演要旨集
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蘚類ネジクチゴケの葉緑体Fe-SODの銅による転写制御機構の解析
*永江 美和塩野 忠彦中田 克高橋 陽介佐藤 敏生
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p. 891

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抄録
 酸素は生命活動により容易に還元され、活性酸素を生成する。活性酸素はDNA等の生体高分子を破壊することにより障害をもたらすため、生物はこれに対する様々な活性酸素除去機構を発達させた。最初の陸上植物とされるコケ植物は、初めて酸素毒性にさらされたと考えられ、酸素に対する適応機構の研究対象として興味深い。我々は活性酸素除去に働くコケ植物のsuperoxide dismutase (SOD) 遺伝子の発現制御機構を解析している。
 コケ植物蘚類ネジクチゴケの葉緑体にはFe-SOD及びCuZn-SODが存在する。我々は、銅濃度の上昇によりFe-SOD活性が減少し、逆にCuZn-SOD活性が増加することを見出した。更に銅添加後数時間以内にFe-SOD mRNA量が減少することも明らかにした。そこで、銅によるFe-SOD遺伝子の発現抑制について転写と転写後の両面から解析を試みている。葉緑体Fe-SODのプロモーター領域をクローニングし、様々な長さのFe-SODプロモーターにGUS遺伝子を結合したコンストラクトを導入した形質転換体を作製した。解析の結果、転写開始点上流-558までをもつFe-SODプロモーターは銅濃度の上昇に反応して、転写量が減少することが明らかになった。これは銅によるFe-SOD遺伝子発現抑制には転写の抑制が関与していることを示唆している。
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© 2005 日本植物生理学会
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