日本植物生理学会年会およびシンポジウム 講演要旨集
第46回日本植物生理学会年会講演要旨集
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カドミウムで発現が誘導される鉄欠乏応答性遺伝子
-タバコとヘビノネゴザにおける発現パターンの違いについて-
*程島 裕貴庄子 和博後藤 文之島田 浩章吉原 利一
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p. 892

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抄録
演者らは我が国を代表するカドミウム(Cd)超集積植物である、ヘビノネゴザのCd耐性メカニズムについて解析を行っている。これまでにもCd耐性をもつ植物の報告がされているが、植物によってCdを蓄積する組織が異なることから、植物種による重金属耐性メカニズムの違いがあると考えられる。また、タバコなどのCd感受性植物では、Cdが存在すると鉄欠乏状態になることから、Cd耐性と鉄トランスポーターの関係が示唆されている。そこで、ヘビノネゴザのCd耐性メカニズムを遺伝子レベルで調べるために、IRTYSLNrampの3種の金属トランスポーターの発現変化について、タバコをコントロールとして比較した。
その結果、タバコでは、Cd添加培地においてYSLの発現が地上部で上昇した。また、鉄欠乏培地にCdを添加した場合にNrampの発現が地上部で上昇した。これに対し、ヘビノネゴザでは、鉄やCdの有無にかかわらずトランスポーターの発現に有意な変化が認められなかった。これらの結果及びこれまでの研究の結果を合わせると、タバコではCdが存在すると、Cdと鉄の競合によって鉄欠乏応答が起こり、地上部のトランスポーターの発現は上昇するが、地上部へは鉄が輸送されないことが考えられる。これに対し、ヘビノネゴザではCdが存在していても鉄欠乏のシグナルが無く、トランスポーター遺伝子の発現が誘導されないと考えられる。
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© 2005 日本植物生理学会
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