日本植物生理学会年会およびシンポジウム 講演要旨集
第46回日本植物生理学会年会講演要旨集
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2次元時系列画像解析によるイネ・フィトクロムの生理機能解析
*篠村 知子
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p. S13

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抄録
遺伝子機能を植物体の全生活史に渡り網羅的に記録・計測することを目指し、個体の成長を時系列画像として分単位で自動記録する装置と、画像からの計測を効率化するソフトを開発している。イネ・フィトクロム変異体の表現型の変化を野生型(WT)と比較し、発芽から出穂までの様々な生育期における光応答性の違いや成長パターンの違いを見出した。イネ黄化芽生えにおける短時間の光照射実験の時系列画像解析により、子葉鞘の生育時期は5期に分類された。第1期(子葉鞘の長さ1mm以下)および第2期(同1-8mm)の伸長抑制にはフィトクロムB(phyB)が関与すること、それ以降はフィトクロムA(phyA)とphyBの両方が関与するが、光応答性の特徴からさらに3つの時期に分類されることがわかった。子葉鞘の伸長停止と前後して第1葉新出が引き起こされたが、時系列画像から第1葉新出タイミングを計測し、この反応が光により著しく促進されることを見出した。さらに栄養成長期におけるイネ・フィトクロム変異体の成長パターンを、主稈の葉の新出周期や伸長速度により比較した。phyA変異体とphyB変異体では葉の新出周期や伸長速度がWTとは異なり、これらの特徴は開花制御との関連が示唆された。イネ・フィトクロムの生理機能を時間分解能高く解析することで、シグナルネットワークの経時的な消長や交代などの相互関係理解へと展開させる道筋を議論したい。
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© 2005 日本植物生理学会
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