抄録
われわれのグループは、以前タバコを低濃度のカドミウムイオン存在下で生育することによりトバモウイルスの全身性移行が阻害されることを見出した。当グループは、まず、低濃度カドミウムにより特異的に発現が誘導されるたんぱく質としてCadmium Induced Glycine Rich Protein (cdiGRP)をクローニングし、さらにcdiGRPの強発現がカロースの篩管内のプラスモデスマにおける蓄積を誘導することを見出した。カドミウムによるウイルスの全身性移行の阻害は、カドミウムによるcdiGRPの強発現がカロースの蓄積を誘導することによる反応であると見られる。
現在、当グループはcdiGRPの強発現によるカロースの蓄積制御機構をタバコとアラビドプシスをモデルとして検討している。アラビドプシスには4つのタバコcdiGRPに類似するたんぱく質が存在しており、うち、少なくとも2つのがプラスモデスマ周辺に蓄積することが明らかとなった。本発表では、この二つの植物システムをから得られたcdiGRPのカロース蓄積機構の調節機能についての知見を詳説する。