日本植物生理学会年会およびシンポジウム 講演要旨集
第46回日本植物生理学会年会講演要旨集
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動植物界の化合物動態解析を見据えた多次元NMRメタボロ(ノ)ミクス
*菊地 淳
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p. S62

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抄録
科学研究では“森”から“枝葉”の課題へと深めていく過程が定石であろうが、植物研究に携わって日の浅い演者にとり、未だ“森”の世界の広さ・奥深さと我々との関連について興味が尽きない。動物のように動けない植物の生存戦略はファイトケミカルの多様性にあり、例えば生物間コミュニケーションの中心は、匂いの素となる多種多様な有機物生合成とその量比にある事を痛感する。我々は植物に特徴的な無機物から有機物への生合成過程とその産物量比を再現性良く計測する方法論として、世界に先駆けて多次元NMRメタボロミクス法の構築を進めている。特に、安価に13C, 15N均一安定同位体標識植物を育成できる利点を活かす戦略を展開している。それは1)高分解能の多次元NMR差スペクトル法を活用した環境応答・変異体間の物質変動解析、2)NMR法の非侵襲性を活かした培養細胞・種子発芽時のin vivo計測、3)動物界の主要食糧源として、ファイトケミカルの分解・吸収・再生合成動態を追跡する動物NMRメタボノミクスである。特に、植物への均一標識化とその分子動態解析が植物生理から動物生理への自然界の食物連鎖を追跡するという方法論は、異分野の科学者達が相互作用する“森”の世界への新分野の展開を予感させる。本講演では特に多様な化合物を有する植物ならではの有用物質探索・創製という観点から、多次元NMR計測技術の現状と今後の展望についてふれる。
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© 2005 日本植物生理学会
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