抄録
光合成系カロテノイドは、光反応中心(RC)では光保護作用を、アンテナ複合体(LH1,LH2)では補助集光作用を主に担っている。コア複合体はRCとLH1が結合した色素蛋白複合体であり、その中に含まれるカロテノイドは、各々の複合体に結合した状態でその機能を発現していると考えられる。今回、共役二重結合数nの異なるカロテノイドを含むRba. sphaeroides G1C, Rba. sphaeroides 2.4.1, Rsp. molischianum, Rps. acidophila 10050, Rsp. rubrum S1からコア複合体を調製し、脱気とアルゴンガスバブリングを行い、脱酸素の下で可視領域のサブマイクロ秒時間分解吸収スペクトルを測定し、三重項カロテノイドの寿命を決定した。
還元剤アスコルビン酸ナトリウムを加えない場合には、コア複合体内のカロテノイド組成を反映したall-transタイプのTn ← T1吸収が現れ、これらはLH1由来の三重項カロテノイドのみであると考えられる。その寿命はnと直線関係になっており、nが増加するほど短くなっていた。一方、還元剤存在下では15-cisタイプのTn ← T1吸収が現れたことから、これはRC由来の三重項カロテノイドであると考えられ、その寿命はnに依らず一定であった。