日本植物生理学会年会およびシンポジウム 講演要旨集
第47回日本植物生理学会年会講演要旨集
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シロイヌナズナの伸展活性化Ca2+透過チャネル候補の分子遺伝学的研究
*中川 祐子片桐 健篠崎 一雄戚 智古市 卓也岸上 明生辰巳 仁史曽我部 正博佐藤 修正加藤 友彦田畑 哲之小島 至飯田 和子寺島 明日香中野 正貴池田 光伸山中 拓哉飯田 秀利
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p. 042

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抄録
伸展活性化Ca2+透過チャネルは、機械刺激のセンサーの1つと考えられている。我々は出芽酵母の伸展活性化Ca2+透過チャネル候補の変異株(mid1)の致死性を相補するシロイヌナズナの遺伝子2つ(AtMID1AAtMID1B)を特定することに成功した(第45回年会)。根の接触刺激応答を調べるために二層寒天法を開発した。この方法では1.6%寒天培地を下層に、0.8%寒天培地を上層にした。二層寒天法を行った結果、atmid1a株およびatmid1a atmid1b株では根が下層に移行できない割合が野生株およびatmid1b株に比べ高かった。根におけるCa2+蓄積量を測定した結果、AtMID1A高発現株は野生株と比べて顕著に高かった。また、AtMID1A高発現株の根におけるCa2+蓄積量は伸展活性化イオンチャネルの阻害剤であるGd3+で阻害され、電位依存性Ca2+チャネルの阻害剤であるverapamilでは阻害されなかった。これらの結果は、AtMid1Aが根の接触刺激応答とCa2+取込みに関与する伸展活性化Ca2+透過チャネルの構成成分であることを示唆する。
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© 2006 日本植物生理学会
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