日本植物生理学会年会およびシンポジウム 講演要旨集
第47回日本植物生理学会年会講演要旨集
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シロイヌナズナのAtMID1AAtMID1B遺伝子の二重欠損株はCa2+依存的にMg2+感受性を示す
*山中 拓哉中川 祐子寺島 明日香片桐 健岸上 明生古市 卓也辰巳 仁史佐藤 修正加藤 友彦田畑 哲之小島 至飯田 和子曽我部 正博篠崎 一雄飯田 秀利
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p. 041

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抄録
シロイヌナズナのAtMID1A遺伝子産物(AtMid1A)はCa2+透過性伸展活性化陽イオンチャネル活性に関与することが示され(2004年度年会)、そのホモログであるAtMID1B遺伝子産物(AtMid1B)と共に機械刺激センサーとして細胞内にCa2+シグナルを発生させると考えられている。我々は昨年度の年会において、atmid1a/b二重欠損株の生育が、培地中の高濃度のMg2+によって野生型株の生育よりも著しく抑制され、この生育抑制が培地CaCl2を添加することにより緩和されることを示した。本年会では、培地中のCaCl2濃度を低下させた場合に、生育抑制に必要なMgSO4の濃度が低下することを示す。この結果は、培地中でCa2+に対するMg2+の濃度比が高くなると、atmid1a/b二重欠損株に生育抑制が起こることを示している。このようなatmid1a/b二重欠損株の表現型の説明として2つの可能性が考えられる。すなわち、(1) Mg2+は天然のCa2+チャネルブロッカーなので、Mg2+がAtMid1A/B以外のCa2+透過チャネルをブロックし、細胞内Ca2+濃度を低下させる。(2) 取り込まれたMg2+が細胞内におけるCa2+のはたらきを妨げる。本発表では、以上二つの可能性について解析し、その結果を議論する。
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© 2006 日本植物生理学会
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