日本植物生理学会年会およびシンポジウム 講演要旨集
第47回日本植物生理学会年会講演要旨集
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耐塩性ラン藻(A. halophytica)のNapAタイプNa+/H+アンチポーターの機能解析
*加藤 真理子WUTIPRADITKUL NuchanatWADITEE Rungaroon田中 義人鈴木 茂敏中村 辰之介四方 正光高倍 昭洋
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p. 050

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抄録

我々は植物およびラン藻のNa+/H+アンチポーターの機能解析を進めている。Synechocystis PCC 6803には、少なくとも5種類のNa+/H+アンチポーター遺伝子が存在するが、その中のNhaP型Na+/H+アンチポーター(SynNhaP1)は、植物、動物、バクテリアのものと相同性が高い。一方、NapA型アンチポーターについては、その性質や生理的機能などほとんど明らかになっていない。
今回、耐塩性ラン藻であるAphanothece halophyticaからNapA型Na+/H+アンチポーター遺伝子を単離し、性質を調べた。2つのNapA型アンチポーター遺伝子(ApNapA1-1, ApNapA1-2)を単離したところ、ApNapA1-1はApNapA1-2よりもSynechocystisのNapA(SynNapA1)との相同性が高かった。ApNapA1-1, ApNapA1-2, SynNapA1の性質を比較したところ、3つのアンチポーターは全て大腸菌変異株のNa+およびLi+感受性を相補し、強いpH依存性の交換活性を示したが、ApNapA1-2の活性は他の2つより低かった。ApNapA1-2のみがK+取り込み活性を欠失した大腸菌の変異株を相補した。これらのアンチポーターの構造と機能の関係について解析した結果についても報告する。

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© 2006 日本植物生理学会
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