日本植物生理学会年会およびシンポジウム 講演要旨集
第47回日本植物生理学会年会講演要旨集
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シロイヌナズナ葉緑体光定位運動におけるアクチンフィラメントの役割
*門田 明雄山田 岳佐藤 良勝及川 和聡中井 正人小倉 康裕笠原 賢洋加川 貴俊末次 憲之和田 正三
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p. 064

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抄録
葉緑体は細胞内でphototropin 1, 2に依存した集合反応・逃避反応を示す。アクチン・ミオシン系による運動と考えられているが、その機構は明らかでない。そこでGFP-talinによってアクチンフィラメントを可視化したシロイヌナズナの葉柄細胞を用いて、光運動反応に伴うアクチン構造の動態を調べた。その結果、葉緑体の表面には特徴的な短いアクチンフィラメントが存在し、光刺激による一方向的な運動に際して、その葉緑体上での局在が変化し、進行方向に偏ることがわかった。このアクチンフィラメント局在化はphototropin変異体では見られず、また、細胞内葉緑体分布の変異体chup1ではこのフィラメントそのものが観察されなかった。これらの事実は葉緑体の運動系にこれまで知られていない葉緑体特異的なアクチンフィラメントが働いていることを予想させる。
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© 2006 日本植物生理学会
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