抄録
微小管構造は全ての真核生物でほぼ共通である。すなわち、αチューブリンとβチューブリンが安定なヘテロ二量体を形成し、これが縦につながって微小管原繊維が形成され、原繊維が通常13本横に束ねられて中空の微小管となる。微小管の構造と動態には、二量体内と二量体間の縦方向のα-β相互作用、及び原繊維間の横方向の相互作用が重要である。
これまで我々は細胞の伸長方向が異常になりねじれ形質を示すアラビドプシス変異株を40系統単離し、チューブリン遺伝子の変異が原因であることを報告した。これらの変異株は全て1アミノ酸の置換または欠失による優性変異であり、また、同様の変異を導入したチューブリン遺伝子を発現する形質転換植物体がねじれ形質を再現したことから、変異型のチューブリンが微小管に取り込まれ微小管の性質を変化させるドミナントネガティヴ型の変異であると考えられる。また、野生株では細胞の伸長方向に対して直角である表層微小管の配向が、これらの変異株では伸長軸と直角方向に傾いていたことから、ねじれ形質と表層微小管束の配向との相関関係が強く示唆された。
現在、これらのチューブリン変異株を用いて表層微小管の動態と配向の関係を解析している。微小管全体を蛍光標識するGFP-TUB6と微小管プラス端を標識するEB1-GFPをそれぞれ交配によって変異体に導入した。本発表では動態解析から得られた結果について議論したい。