日本植物生理学会年会およびシンポジウム 講演要旨集
第47回日本植物生理学会年会講演要旨集
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タバコBY-2細胞の細胞周期進行に伴うカルシウムイオンの役割
*佐野 俊夫桧垣 匠半田 耕一馳澤 盛一郎
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p. 071

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抄録
カルシウムイオンは高等植物において、さまざまな環境変化に対する防御反応を仲介するセカンドメッセンジャーとして働いている。防御反応の一つとして、細胞増殖制御により成長を抑制することが知られていることから、本研究では、高等植物細胞の細胞周期進行におけるカルシウムイオンの関与を調べた。カルシウムセンサーであるエクオリンを発現するタバコBY-2細胞株を利用し、細胞周期S期において酸化ストレスあるいは低浸透圧ストレスを与えると細胞周期がS期で停止あるいはG2期で遅延することがわかった。また、これらのストレスは細胞内のカルシウムイオン濃度を一過的に上昇させたが、培地中のカルシウムイオンを除くと上昇率が低下した。このとき、細胞周期進行の停止あるいは遅延が解除されたことから、カルシウムイオンは細胞周期の進行を停止あるいは遅延させるシグナルとして働いていることが考えられる。一方、低浸透圧ストレスは培地を置換することで簡単に除去することができるため、その処理時間の効果を調べたところ、10分間の処理でも処理を続けた場合でも同様に約1時間の細胞周期進行の遅延が見られた。また、30秒のみ処理した場合には細胞内カルシウムイオン濃度の上昇が見られず、細胞周期進行の遅延も見られなかったことから、一過的に細胞内カルシウムイオン濃度が上昇することが、細胞周期進行の制御に関与している可能性が示された。
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© 2006 日本植物生理学会
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