日本植物生理学会年会およびシンポジウム 講演要旨集
第47回日本植物生理学会年会講演要旨集
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TEIL遺伝子発現抑制タバコにおけるTMV病斑縮小と老化遅延
*日比 忠晴小杉 俊一岩井 孝尚川田 元滋瀬尾 茂美光原 一朗大橋 祐子
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p. 090

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抄録
タバコEIN3ホモログTEIL (Tobacco EIN3-like)は,タバコのacidic PR1遺伝子のプロモーター領域に特異的に結合する因子として単離された.TEILEIN3とアミノ酸配列上60%の相同性を持ち、転写活性化能を有し、特異的な配列(TEIL binding sites: tebs)に結合する(Kosugi and Ohashi, 2000). WTタバコでは試験した全ての器官でTEIL遺伝子の恒常的な発現が認められ,上位葉に比べ下位葉でより発現量が多く,老化との関連性が示唆された.TEILの発現は傷害により誘導され、その転写産物は傷害誘導性basic PR遺伝子の発現に先立ち蓄積した. TEIL過剰発現タバコ葉では通常発現していないbasic PR遺伝子が恒常的に発現し,TEIL抑制形質転換タバコ葉ではこれらの傷害による誘導が抑制された.本研究では、これらの形質転換体を用いてTEIL遺伝子の機能を調べた.まず、タバコの代表的な病原体であるTMVを接種したところ,抑制体で病斑サイズの減少が認められた.また,切取り葉の老化を観察した結果,抑制体の葉で老化進行の遅延が観察された.エチレンに対するトリプルレスポンス様応答は,過剰発現体で増加し,抑制体で減少することが観察された.これらの結果は、TEIL遺伝子はタバコにおいて病害や老化等に一定の役割を担っていることを示唆した.
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© 2006 日本植物生理学会
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