日本植物生理学会年会およびシンポジウム 講演要旨集
第47回日本植物生理学会年会講演要旨集
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熱力学モデルに基づくトランスクリプトームデータの解析と知見の統合
*小西 智一
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p. 100

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抄録
マイクロアレイは網羅的なトランスクリプトームデータを測定できるが、得たデータを比較するのは容易ではない。このデータはゲノムにコードされている量的な遺伝情報を解読するための手がかりになるはずで、そうした取り組みのためにもデータは実験間・研究者間で比較して分析することが望まれる(もちろん、データに普遍性が得られないのなら、科学的な研究の手段としては不適格である)。残念なことに、マイクロアレイのデータは再三にわたってその再現性や研究室間での知見のくい違いが指摘されている。

こうした問題を惹起している根本原因は、データ比較のために必要な、実験間で共通する知的な枠組み(framework)の欠如であろう。得られた原データを、アドホックに用意された基準を用いて分析している限りにおいて、実験間での比較はそもそも不可能である。

ここにデータの解析のための新しい枠組みを紹介する。これは細胞内でトランスクリプトームがどう形成され調節されるかを、統計熱力学で説明する数理モデルに基づいている。これまでにアドホックに使われてきたものとは異なり、科学的な反証可能性を有している。モデルの概要と、いくつかの検証結果を示す。また、この枠組みを使った、遺伝する量的なゲノム情報の解読への試みを紹介する。
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© 2006 日本植物生理学会
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