抄録
遺伝子間および代謝産物間の相互作用には、恒常的なものと、環境条件依存のものとがある。本研究では、ストレス条件下の時系列において、特徴的に変化する相互作用関係を抽出することを目的とする。
時間依存の相互作用変化を確率的に評価する状態空間モデルを用い、相互作用が変化する時刻を統計的に検出する。検出した変化に関わる、遺伝子および代謝産物を抽出し、ストレス条件間での比較を行う。以上のプロセスをシステマティックに行う統計手法を提案する。
提案手法をDNAマイクロアレイ解析および網羅的メタボローム解析によって得られたシロイヌナズナのストレス応答の経時変化を追ったデータセットに適用し、ストレス条件に依存して機能発現する遺伝子および代謝産物の抽出を行った。
特定のストレス応答に関わる遺伝子および代謝産物を抽出することで、植物の環境適応機構に関わる遺伝子および代謝産物の制御を検証していくことが可能になると考えられる。