抄録
イネは典型的なケイ酸集積植物として知られているが、そのケイ酸吸収機構についてはまだ明らかにされていない。我々の研究室ではイネのケイ酸吸収突然変異体を用いてイネのケイ酸吸収機構の解析とその関連遺伝子の単離を行っている。現在、すでにケイ酸吸収遺伝子(Lsi1)の単離に成功している。本研究では新たに単離された低ケイ酸含量突然変異体(lsi2)を用いて新規ケイ酸吸収関連遺伝子Lsi2の単離を試みた。最初にLsi2のラフマッピングを行った結果、Lsi2はイネの三番染色体に座乗することを明らかにした。ファインマッピングを行った結果、候補領域を106kbpまで絞り込んだ。次に候補領域の遺伝子予測を行った結果、17個の遺伝子が予測された。その中の一遺伝子(putative anion transporter)の塩基配列を野生型(T-65)と変異体とで比較した結果、一塩基置換が起きており、その一塩基置換がアミノ酸をセリンからアスパラギンに置換していた。この遺伝子の全長cDNA は2085bpであり、472のアミノ酸のタンパク質をコードしていた。次にこの遺伝子を変異体に導入し、相補性試験を行った。その結果、遺伝子を導入した変異体ではベクターコントロールより明らかに高いケイ酸吸収を示した。以上のことからLsi2遺伝子がケイ酸吸収に関連する遺伝子であることを明らかにした。