日本植物生理学会年会およびシンポジウム 講演要旨集
第47回日本植物生理学会年会講演要旨集
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プラスチド核様体に関連するSWIBドメイン蛋白質の解析
*中平 洋一矢田 和正椎名 隆
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p. 175

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抄録
プラスチド(色素体)には核とは異なる独自のDNAが存在し,DNA結合蛋白質と共に核様体を形成している。核様体の構造や蛋白質組成の変化は,プラスチドDNAの転写や複製制御に重要であると考えられる。しかしながら,プラスチド核様体を構成する蛋白質群の詳細は未だ明らかににされていない。本研究では,シロイヌナズナのゲノム情報を基に,プラスチド核様体を構成する新規蛋白質を探索した。その結果,代表的な細胞内局在プログラムの全てにより,プラスチド局在が予測された蛋白質として,SWIBドメインをもった低分子蛋白質(PSWIB)を見出した。SWIBドメインは,細胞核のクロマチンリモデリングに関わるSWI/SNF複合体のサブユニット(BAF60/BAP60)に保存された機能未知のドメイン構造である。PSWIBとGFPとの融合蛋白質を一過的に発現させたところ,葉緑体において顆粒状の緑色蛍光が確認された。安定な形質転換体でも同様の局在が見られ,そのパターンはDAPIによるプラスチドDNAの染色像と一致した。これらの結果は,PSWIBがプラスチド核様体に関連した蛋白質であることを示唆している。さらに,PSWIB-GFPを過剰発現させた植物体では,pale greenやアルビノの表現型が見られた。現在,さらなる機能解析を進めており,それらの結果も併せて報告する。
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© 2006 日本植物生理学会
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