抄録
(1-5)-α-L-アラビナンはアラビノフラノース(Araf)から構成され、主にラムノガラクツロナンIの側鎖として存在する植物細胞壁多糖である。我々は(1-5)-α-L-アラビナンの生合成について明らかにするために、Araf転移酵素の活性について検討した。
暗所で育てたヤエナリ上胚軸の伸長部位から、スクロース密度勾配法によりゴルジ膜画分を調製した。調製したゴルジ膜画分に糖供与体としてUDP-Arafおよび受容体として2-アミノベンズアミド(2-AB)化したアラビノオリゴ糖を加え(1-5)-α-L-アラビナン合成を行った。酵素生成物のLC-MS解析より、ペントース残基が付加されたオリゴ糖が生成していることが明らかとなった。酵素生成物はアラビノフラノシダーゼで分解されたことから、転移したアラビノースはArafであることが示された。また、NMR解析より生成物はα-(1-5)結合したアラビナンであると同定した。これらの結果より、ゴルジ膜に存在するAraf転移酵素によりUDP-Arafから (1-5)-α-L-アラビナンが合成されることが明らかとなった。