日本植物生理学会年会およびシンポジウム 講演要旨集
第47回日本植物生理学会年会講演要旨集
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ゴルジにおけるキシログルカンエンドトランスグルコシラーゼ・キシログルカン複合体
*Suda Cecilia NK海田 るみ山田 陽子金子 堯子竹田 匠馬場 啓一林 隆久
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p. 192

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抄録
キシログルカンエンドトランスグルコシラーゼ(XET)は2つの基質(アクセプターとドナー)と複合体を形成して、キシログルカン分子のつなぎ換えを行う細胞壁中の転移酵素である。エンドウ上胚軸細胞における抗体染色では、XET及びキシログルカンは主として異なるゴルジ体に局在し、一部のゴルジにおいて酵素と基質が共存することが示された。ミクロソーム画分に[14C]フコースを与えるとキシログルカンは標識化され、分子サイズ8.8 kDaと算出された。このゴルジのキシログルカンにXXXG(1 kDaのキシログルカンオリゴサッカライド)を与えても分子サイズは変化しないが、230 kDaのキシログルカンを与えると、8.8 kDa のものが110 kDaのものに変化することが認められた。このパルス・チェイス実験から、XETは8.8 kDaのキシログルカンをアクセプターとして、230kDaキシログルカンをドナーとして利用したことが推察される。以上の結果より、XETはゴルジでキシログルカンの非還元末端に結合して、酵素・アクセプター複合体を形成した後、細胞壁に組み込まれるメカニズムを我々は提唱する。
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© 2006 日本植物生理学会
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