抄録
トマト(Solanaceae lycopersicum)における機能ゲノミクス研究を推進するために、現在国際コンソーシアム主導で行なわれているトマトゲノム解読プロジェクトと並行して、我々はトマト(矮性トマト、マイクロトム)の完全長cDNAクローンの取得および配列解読を行なっている。
病原微生物を接種したトマト葉および成熟中のトマト果実から、2つの完全長cDNAライブラリーが作製されている。現在のところ葉ライブラリーから37,632クローン、果実ライブラリーから9,794クローンの5‘端読みが完了している(2005年11月段階)。葉コンティグの30%および果実コンティグの25%が、シロイヌナズナに相同遺伝子を持たないトマト遺伝子由来であると推定された。トマト葉・果実コンティグの機能分布は、アラビドプシス全遺伝子の機能分布と若干異なっていた。特に、アラビドプシスに相同遺伝子の見られないトマトコンティグの機能分布は、「キナーゼ」「DNA/RNA結合」「タンパク質結合」といったカテゴリーに属するものの割合が、全トマトコンティグでの分布と比較して多くなっていた。この結果は、遺伝子の種類により多様化の程度が異なっていることを示していると思われる。完全長クローン情報はMiBASE(http://www.kazusa.or.jp/jsol/microtom/)から公開している。