日本植物生理学会年会およびシンポジウム 講演要旨集
第47回日本植物生理学会年会講演要旨集
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酸化的ストレス下の葉で生成するアルデヒド種の同定
*真野 純一KHOROBRYKH Sergey岡光 香奈
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p. 264

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抄録
過酸化脂質が細胞内で酵素的・非酵素的に分解されると種々のアルデヒドを生ずる。アルデヒド消去酵素の過剰発現によって植物の環境ストレス耐性が増強することから,アルデヒド種が細胞損傷の要因となることが最近明らかにされている。本研究では葉の細胞損傷に関わるアルデヒドの分子種を特定するために,タバコなどの葉で酸化的ストレスにより生成増大するアルデヒドの同定を試みた。葉のアセトニトリル抽出画分に酸性条件下で2,4-ジニトロフェニルヒドラジンを添加し,アルデヒドのヒドラゾン誘導体を逆相 HPLCにより分別定量した。ストレスを与えないタバコ葉では少なくとも12種のアルデヒドが検出され,葉新鮮重1 gあたり全アルデヒド量は約20 nmolであった。標準化合物との溶出時間の比較から,主要成分はn-ヘキサナール,3Z-ヘキセナールと同定された。生葉中での存在が従来報告されていないプロピオンアルデヒド,ブチルデヒドなど超短鎖アルデヒドも検出された。オゾン曝露による酸化的ストレスを与えると,これらのアルデヒド含量が約10倍増大するとともに,新たにアセトアルデヒドや細胞毒性の強い 2E-ヘキセナールなども生成した。過酸化脂質分解の主要生成物とされるマロンジアルデヒドの存在比はストレス条件,非ストレス条件のいずれにおいても全アルデヒド種の1%以下であった。
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© 2006 日本植物生理学会
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