日本植物生理学会年会およびシンポジウム 講演要旨集
第47回日本植物生理学会年会講演要旨集
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トランスポゾンタグラインを用いたシロイヌナズナのフェノーム解析と遺伝子破壊系統の収集
*黒森 崇和田 拓治神谷 麻子井村 優子平山 隆志湯口 雄大横内 卓郎櫻井 哲也秋山 顕治岡田 清孝篠崎 一雄
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p. 277

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抄録
シロイヌナズナはゲノム情報や研究リソースの整備、特にタグラインが充実したことによって、全ての遺伝子の破壊株を調べること(Saturation Mutagenesis)が可能なモデル生物の一つと捉えることができる。私たちはシロイヌナズナのゲノム機能研究に必要な研究リソースとして、トランスポゾンを利用したタグラインの作製を行ってきた。トランスポゾンAc/Dsの系では一個体にシングルコピーの挿入のため、その後の遺伝解析を行いやすい利点を持っている。そこで、作製してきたタグラインの中で遺伝子コード領域へトランスポゾンが挿入されているラインについて系統的な表現型解析(Phenome Analysis)を進めている。これまで主に外見上の形態(Visible Phenotypes)について記載を行い、生育段階によって合計43項目のカテゴリーを設定して、得られた表現型データを分類した。約4,000ラインについて地上部の観察を行い、比較的はっきりとした形態異常が認められた約200項目について、表現型の項目から変異体を検索できるデータベースを作製した (http://rarge.gsc.riken.jp/phenome/)。外見上の形態異常が見つからなかったラインに関してもトランスポゾンがホモ挿入されている遺伝子破壊系統を揃えており、条件的なスクリーニングや他のオーミクスな解析に利用できる新たなリソースとして有用だと考えている。
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© 2006 日本植物生理学会
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