日本植物生理学会年会およびシンポジウム 講演要旨集
第47回日本植物生理学会年会講演要旨集
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シロイヌナズナの根におけるぺルオキシソーム機能
*信定(鎌田) 知江林 誠深澤 美津江近藤 真紀西村 幹夫
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p. 283

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抄録
植物のぺルオキシソームはその機能的に、発芽初期の子葉や老化葉に存在するグリオキシソーム、光合成器官に存在する緑葉ぺルオキシソーム、その他のぺルオキシソームと分類されてきた。私たちは器官特異的にぺルオキシソームの遺伝子発現をマイクロアレイによって調べ、新たに根で特に強く発現するぺルオキシソーム遺伝子群が存在することを明らかにした。この事実から根のぺルオキシソームが他の器官とは異なる状態に機能分化していることが考えられる。この根のぺルオキシソーム機能を明らかにするため、根で強く発現している遺伝子の1つであるポリアミンオキシダーゼに着目して解析を行った。
シロイヌナズナのゲノム中には、ぺルオキシソーム局在シグナルをもつポリアミンオキシダーゼ遺伝子が3つ存在した。3つは互いにアミノ酸配列で高い類似性をもっていた。各々の遺伝子産物をGFPとの融合タンパク質としてシロイヌナズナの根で一過的に発現させた結果、全てぺルオキシソームに局在した。これらの遺伝子の各器官における発現を定量PCRで調べた結果、マイクロアレイの結果と一致して、1つは根で強く発現しており、他の2つは花や鞘で強く発現していた。ぺルオキシソームに局在するポリアミンオキシダーゼの機能抑制株を作成し、その表現型を解析すると共に、ぺルオキシソームに局在するポリアミンオキシダーゼの機能解析から、根に特異的なぺルオキシソーム機能を考察する。
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© 2006 日本植物生理学会
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