日本植物生理学会年会およびシンポジウム 講演要旨集
第47回日本植物生理学会年会講演要旨集
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シロイヌナズナのペルオキシソーム形成因子Pex10pの機能解析
*神垣 あかね二藤 和昌林 誠西村 幹夫
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p. 284

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抄録
植物ペルオキシソームの成育過程における機能転換とそれに伴う内部タンパク質組成の変化は植物ペルオキシソームに独特な特徴である。ペルオキシソーム形成因子(ペルオキシン:Pex)は酵母を中心とした遺伝学的解析から同定され、ペルオキシソームマトリックスタンパク質の輸送、ペルオキシソームの増殖、分裂、膜形成といった機能に関わることが示唆されている。これまでに我々はシロイヌナズナゲノム上で予測される17種類のペルオキシン遺伝子をRNAi法によって発現抑制し、これらの遺伝子がペルオキシソーム形成に直接関与していることを明らかにした。本研究では、ペルオキシソームマトリックスタンパク質の輸送に関与する因子であるPex2p, Pex10p, Pex12pに焦点を当て、植物個体レベルで解析を行った。その結果、Pex10pの発現抑制株では葉の部分的(縞状又は編み目状)黄化が見られ、花序は発達初期に近接器官と融合しており、開花せず不稔であった。Pex2p, Pex10p, Pex12pは共にC末にRINGフィンガードメインをもち、タンパク質の構造と機能が類似しているにもかかわらず、Pex10p発現抑制株のみにこれらの表現型がみられる原因について解析中である。
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© 2006 日本植物生理学会
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