日本植物生理学会年会およびシンポジウム 講演要旨集
第47回日本植物生理学会年会講演要旨集
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イネのNACファミリーに属するストレス誘導性OsNAC6の解析
*中島 一雄Tran Lam-Son PhanNguyen Van Dong藤田 美紀圓山 恭之進戸高 大輔伊藤 裕介篠崎 一雄篠崎 和子
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p. 314

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抄録
イネにはNACドメインを持つタンパク質が50種類以上の存在し、それらはNACドメインの相同性から11のサブグループ(グループA~K)に分けられた。マイクロアレイ実験から、グループAに含まれる6種類のNAC遺伝子のうち、OsNAC6を含む5種類のNAC遺伝子は、乾燥・塩・低温誘導性が強いことが示された。さらに、ノーザン解析やプロモーター:GUSを導入したイネを用いた実験から、OsNAC6はアブシジン酸(ABA)、ジャスモン酸(JA)、傷によっても誘導されることが明らかになった。酵母を用いた実験から、OsNAC6には転写活性化能があることが示された。また、タマネギ表皮細胞にOsNAC6-sGFP融合遺伝子を導入する実験から、OsNAC6は核に局在することが示された。OsNAC6を過剰発現したシロイヌズナでは植物体のサイズが小さくなり、下偏成長した葉が多数形成された。OsNAC6を過剰発現したイネも著しく矮化した。また、過剰発現シロイヌナズナでも過剰発現イネでも、多くの環境ストレス誘導性遺伝子群や病害ストレス誘導性遺伝子群の発現レベルが上昇した。これらの結果は、OsNAC6が環境ストレスだけでなく病害ストレスに対しても機能する転写活性化因子であることを示唆する。
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© 2006 日本植物生理学会
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