日本植物生理学会年会およびシンポジウム 講演要旨集
第47回日本植物生理学会年会講演要旨集
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みどりの香りによる防御応答誘導にはETR1, JAR1, PAD2が関与するがNPR1は関与しない
岸本 久太郎*松井 健二小澤 理香高林 純示
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p. 321

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抄録
炭素数6のアルデヒド(C6)はシロイヌナズナに防御遺伝子の発現や抗菌物質の蓄積を誘導する。我々はC6による防御応答シグナル経路解明のため、jar1-1, etr1-1, npr1-1, およびpad2-1を用いてその応答様式を野生株と比較検討した。C6による防御遺伝子の誘導はjar1-1, pad2-1で大きく抑制されていたがetr1-1, npr1-1では変化なかった。また、C6によるカマレキシンの誘導はetr1-1, jar1-1では部分的にしか見られなかった一方、pad2-1ではほとんど見られなかった。灰色カビ病菌に対する抵抗性はetr1-1, jar1-1, npr1-1では増強されたが、pad2-1では誘導されていなかった。以上の結果、C6による防御応答誘導にはETR1, JAR1, およびPAD2を介したシグナル経路が同時に関与しているが、NPR1は関与しないことが明かとなった。
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© 2006 日本植物生理学会
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