日本植物生理学会年会およびシンポジウム 講演要旨集
第47回日本植物生理学会年会講演要旨集
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DHPR様タンパク質は葉緑体NDH複合体の活性に必須である
*清水 英之鹿内 利治
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p. 330

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抄録
葉緑体NDH複合体はミトコンドリアのNADH dehydrogenaseのホモログであり、光化学系Iサイクリック電子伝達に関わる。高等植物のNDH複合体は、これまでに14個のサブユニットが同定されている。しかしながら、これらの既知サブユニットに電子供与体結合部位は含まれておらず、NDH複合体への電子供与体も未だ不明である。シロイヌナズナcrr1chlororespiratory reduction)は、NDH活性を欠く変異株としてクロロフィル蛍光イメージングで単離された。CRR1タンパク質は葉緑体輸送ペプチドとNAD(P)H結合モチーフを持つことから、NDH複合体の電子受容サブユニットである可能性がある。興味深いことに、CRR1はリジン生合成酵素であるDHPR(dihydrodipicolinate reductase)と相同性を有するが、DHPR活性は持たない。またDHPR遺伝子が全ての組織で発現するのに対し、CRR1は他のNDHサブユニット遺伝子同様に光合成組織でのみ発現する。現在CRR1がNDH複合体のサブユニットであることを生化学的に示す実験を行っている。
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© 2006 日本植物生理学会
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