抄録
【目的】植物において、ストレス応答や防御に関する多くの遺伝子が選択的スプライシングによる発現調節を受けている。これまでに我々は、シロイヌナズナにはスプライシング制御因子であるSRタンパク質ホモログが20種類存在し、その中でSR41aが強光に対して応答することを明らかにした。そこで本研究では、SR41aが制御するストレス応答性の選択的スプライシング制御機構の解明を試みた。
【方法・結果】RT-PCRによる解析の結果、SR41aには自身の選択的スプライシングにより5つの成熟型mRNAが存在し、うち2つのスプライシング産物が強光条件下において応答した。また、タバコ培養細胞BY-2プロトプラストを用いた一過的発現解析の結果、GFP融合SR41aタンパク質は核に局在していたことから、SR41aはスプライシング因子として機能していることが示唆された。そこで、SR41aの標的遺伝子を同定するためにSR41a過剰発現形質転換体およびKO変異体を用いて様々な遺伝子の発現レベルおよびスプライシングパターンの解析を試みた。その結果、SR41aKO変異体において他のSRタンパク質 (SR34bおよびSCL33) の発現量が減少していた。さらに現在ディファレンシャルディスプレイ法を用い、SR41aの標的遺伝子の同定を行っている。