日本植物生理学会年会およびシンポジウム 講演要旨集
第47回日本植物生理学会年会講演要旨集
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オーキシン様活性をもつペプチドと相互作用する原形質膜タンパク質の同定
*下村 正二
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p. 368

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抄録
オーキシン結合タンパク質1(ABP1)のC末端ペプチドがオーキシン様活性をもつことが知られていることから、オーキシンのシグナル伝達機構を解明するためには、このペプチドに対する受容体を明らかにすることが重要と思われる。そこで、親和架橋実験を行ったところ、トウモロコシ由来の2種の候補タンパク質が得られた。このうち、CBP1と名付けたタンパク質はGPIアンカーを介して原形質膜に局在するタンパク質であり、銅を含有するタンパク質であった。また、アラビドプシスSKU5およびSKS6、タバコNTP303などの細胞の極性と関連すると思われる伸長生長に関与するタンパク質と高いホモロジーが見られた。また、ABP1欠失変異が胚形成過程での特定の方向への細胞伸長を誘導しないことなどから、オーキシン誘導性の細胞肥大化応答の中で、細胞極性と関連する伸長生長にABP1-CBP1経路が重要な役割を担っている可能性を示唆している。
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© 2006 日本植物生理学会
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