日本植物生理学会年会およびシンポジウム 講演要旨集
第47回日本植物生理学会年会講演要旨集
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水生食虫植物ムジナモ(Aldrovanda vesiculosa)捕虫葉におけるプロテアーゼ活性の発現と微細構造変化
*坂本 君江仲本 準金子 康子
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p. 375

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抄録
ムジナモは世界的に絶滅が危惧されている水生の食虫植物であり、輪生する二枚貝様の捕虫葉でミジンコなどの水生小動物を挟み込んで捕える。私たちの研究室では、in vitroでクローン増殖したムジナモを用い、特に消化・吸収に関わる腺毛の微細構造変化と機能発現についての研究を行ってきた。今回は主要な消化酵素であると考えられるプロテアーゼ活性の発現と分泌過程、それに関わる微細構造変化を明らかにすることを目的とした。
プロテアーゼ活性はゼラチンフィルムの分解により検出した。ミジンコを人為的に捕獲させた後、捕虫葉組織、または捕虫葉間の液を経時的に採取し、ゼラチンフィルム上に一定時間載せた後、組織をとり除き、アミドブラックで染色した。ミジンコ捕獲前にはプロテアーゼ活性は検出されなかったが、捕獲後2時間目には捕虫葉組織、捕虫葉間液の両方に強い活性が検出された。また捕虫葉抽出液と捕虫葉間液をNative-PAGE後ゼラチンフィルムに重ねて活性を検出したところ、捕獲後2時間目に捕虫葉抽出液、捕虫葉間液の双方にプロテアーゼ活性を示す複数のバンドが出現し、捕虫葉間液中では捕獲後6時間目にも同様の活性を示すバンドが検出された。一方透過電子顕微鏡観察により、捕獲後2時間目には消化腺毛細胞において極めてダイナミックな膜構造の変動が観察されることから、これらがプロテアーゼの合成と分泌に関与していることが示唆される。
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© 2006 日本植物生理学会
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