日本植物生理学会年会およびシンポジウム 講演要旨集
第47回日本植物生理学会年会講演要旨集
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サイトカイニン初発応答遺伝子上流に存在するARR1認識配列のサイトカイニン応答への寄与
*谷口 雅俊青山 卓史柘植 知彦岡 穆宏
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p. 410

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抄録
サイトカイニンは植物細胞の分化・増殖を介して、植物体の形態形成を制御する植物ホルモンである。Arabidopsisのサイトカイニンシグナルの初期細胞伝達は、細胞膜に存在するCRE1などの受容体から転写因子型レスポンスレギュレター(タイプB ARR)へのHis-Aspリン酸リレーによって行われている。我々は、ARR1がサイトカイニン初発応答遺伝子群(Cytokinin Primary Responsive Genes, CPRGs)を直接転写活性化することを報告してきた。しかし、CPRGsの上流には一般にARR1のin vitro認識配列((A/G)GAT(C/T))が多数見受けられ、その数と転写活性化の間に相関がみられない。in vivo における各ARR1認識配列のサイトカイニン応答への寄与を調べた。
非転写因子型レスポンスレギュレター(タイプA)であるARR6はARR1によって転写活性化されるCPRGの1つであり、その上流にはARR1認識配列が5箇所存在する。それら認識配列に点突然変異を導入したARR6プロモーターとルシフェラーゼ遺伝子を結合したコンストラクトと、サイトカイニンシグナルに依存せずに構成的にCPRGsの転写活性化を行うARR1ΔDDKを35S下流に結合したコンストラクトをタマネギ表皮細胞に導入しルシフェラーゼの一過的発現量を測定した。その結果、それぞれの認識配列が様々な程度にARR1による転写活性化に寄与することを明らかにした。
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© 2006 日本植物生理学会
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