日本植物生理学会年会およびシンポジウム 講演要旨集
第47回日本植物生理学会年会講演要旨集
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ブラシノステロイド情報伝達突然変異体bil4, bil3の解析
*山上 あゆみ中野 雄司中澤 美紀松井 南作田 正明篠崎 一雄辻本 雅文吉田 茂男浅見 忠男
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p. 412

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抄録
ブラシノステロイド(BR)は細胞の伸長、光形態形成に関与している植物ホルモンである。我々はBR情報伝達機構の解明を目指し、現在までにBR生合成阻害剤Brz存在下での胚軸の伸長を選抜条件にして、 bil1 ( Brz-insensitive-long hypocotyl 1)を選抜してきている。さらに新しい変異原遺伝子の単離を目指し、同様の形態変化を指標にして Arabidopsisのアクティベーションタグラインから突然変異体の選抜と遺伝子の単離を行った。
Arabidopsi sアクティベーションタグラインから、暗所Brz存在下において胚軸徒長を示す半優性の変異体 bil4を単離した。明所下で生育した bil4 bil5と同様にロゼット葉の細小化と花茎の短化に基づく細矮性Slender Dwarf様の形態を示し、野生型株に比べ花茎長は抑制されたが、花茎数は約3倍となる形質が認められた。続いて、 bil4変異体の原因候補遺伝子として、植物に留まらず、ヒトなど哺乳類にも相同性の高い遺伝子が存在する7回膜貫通ドメインを持つ新規遺伝子を同定した。35S CaMVプロモーターにより原因候補遺伝子を過剰発現した形質転換体を作製した結果、暗所Brz存在下の発芽時の胚軸徒長形態と明所成熟個体におけるSlender Dwarf様形態が再現され、この遺伝子が原因遺伝子であると考察している。
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© 2006 日本植物生理学会
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