抄録
イネのelongated uppermost internode(eui)は出穂時にのみ表現型が現れ、特に最上部節間が徒長する劣性の突然変異株である。野生型とeuiの最上部節間における内生ジベレリン(GA)含量についてGC-MSを用いて定量を行った結果、eui節間のGA1が野生型に比べて24倍も蓄積していることが明らかとなった。さらに、野生型の節間では検出されなかったGA4がeui節間から高濃度で検出された。これらの結果からeuiの表現型は内生の活性型GA量の上昇によるものであることが明らかとなった。さらに、Eui遺伝子がコードしている機能未知のシトクロムP450酵素を酵母において発現させ、その機能の解明を行った。GA4をEUIタンパク質を含むミクロソーム画分とインキュベートし、その代謝物をGC-MSで確認したところ、16α,17-epoxy GA4が同定された。同様に、GA4の前駆体であるGA9とGA12もそれぞれ16α,17-epoxy体への変換が確認された。しかしながら、C-13位に水酸基をもつGA1、GA20及びGA53はEUIタンパク質の基質とはなりえなかった。また、短銀坊主を用いたバイオアッセイにおいて16α,17-epoxy GA4はGA4に比べて伸長促進活性が著しく低下していた。以上の結果から、EUIタンパク質はGAの新奇不活性化酵素であることが明らかとなった。