日本植物生理学会年会およびシンポジウム 講演要旨集
第47回日本植物生理学会年会講演要旨集
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種子発芽時に生成される活性酸素とジベレリン合成に関わる遺伝子発現の関係について
*保浦 徳昇岩渕 雅樹小川 健一
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p. 490

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抄録
ジベレリンは種子の発芽を促進する重要な植物ホルモンであることが知られている。一方、様々な植物の種子発芽にはH2O2やO2-などの活性酸素が必要であることが示唆されている。H2O2処理によってシロイヌナズナの発芽が促進され、ジベレリンの合成に関わる遺伝子が誘導されることをマイクロアレイ解析と発芽試験によりすでに明らかにしており、また、吸水処理後には活性酸素(O2-)が生成されていることを明らかにいしている。そこで、種子発芽時に生成されるO2-の役割を明確にするためにNADPHオキシダーゼの阻害剤であるDPIがO2-の生成とジベレリン合成経路の遺伝子発現に与える影響を調べた。DPIによるO2-生成の抑制は限定的であったがその抑制の程度と同程度のジベレリン合成経路遺伝子発現の減少が認められた。以上より、種子発芽時に生成されるO2-はジベレリン合成経路遺伝子の発現を正に制御しており、その生成にはNADPHオキシダーゼが関わっている可能性が考えられた。
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© 2006 日本植物生理学会
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