日本植物生理学会年会およびシンポジウム 講演要旨集
第47回日本植物生理学会年会講演要旨集
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イネの葯で高発現するワックス合成関連遺伝子OsCER1Bの機能解析
*遠藤 誠三上 一保土屋 亨大島 正弘若狭 暁宮尾 安藝雄広近 洋彦渡辺 正夫川岸 万紀子
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p. 500

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抄録
イネの生殖過程に機能する新規遺伝子を同定する目的で,イネ葯より合成したcDNAを用い,マイクロアレイ解析を行った.葯で高発現する多様なクローン中で,1核期・2核期で特に強く発現する2種類の遺伝子がシロイヌナズナCER1遺伝子に類似性のあることを見いだした.この2種類の遺伝子の一方は同定済みのOsCER1と同一であったが,他方はこれと高い類似性をもつ新規遺伝子でありOsCER1Bと名付けた.レトロトランスポゾンの挿入によりOsCER1Bが破壊された変異株が2系統見いだされ,両系統で,トランスポゾンの挿入ホモ型の個体に種子稔性の著しい低下が認められた.野生型との交配の結果より,稔性の低下は花粉側によるものであると考えられた.シロイヌナズナのCER1遺伝子は表層ワックスの合成に関与する酵素をコードし,この遺伝子の欠損により花粉の表層ワックスの構造が変化して,花粉稔性が低下することが知られている.OsCER1Bの変異においても同様の変化が観察されるか,現在変異株の花粉の構造を解析している.また,イネのゲノム配列の検索より,OsCER1, OsCER1Bに加え,CER1類似遺伝子がさらに2つ見いだされ,計4種類の類縁遺伝子がゲノム上に存在することがわかった.これらの遺伝子の機能の違いについての手がかりを得るため,まず4種類の遺伝子の発現パターンの違いについて解析を進めている.
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© 2006 日本植物生理学会
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