日本植物生理学会年会およびシンポジウム 講演要旨集
第47回日本植物生理学会年会講演要旨集
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ミトコンドリア遺伝子による花器官のホメオティック変化(cytoplasmic homeosis)誘発機構の解析
*村井 耕二朱 ヨウ皿池 辰徳山本 優子
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p. 499

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抄録
連続戻し交配により近縁野生種 Aegilops crassa 細胞質を導入した細胞質置換コムギ系統は、雄ずいの雌ずい化(pistillody)による雄性不稔を誘発する。一方、遺伝学的な解析により、コムギ品種「Chinese Spring」(CS)の7B染色体長腕(7BL)には、この pistillody を抑制する優性の主働遺伝子Rfd1が存在し、Ae. crassa 細胞質を導入しても pistillody が起こらないことが示された。この pistillody は、Ae. crassa 細胞質ミトコンドリアゲノムに存在する原因遺伝子の何らかの作用により、雄ずいが雌ずいへとホメオティックに変化する現象(cytoplasmic homeosis)であり、核ゲノムに存在するRfd1遺伝子は、ミトコンドリア原因遺伝子の作用を何らかの形で抑制すると考えられる。最近、私たちは、pistillody の直接的な原因は、雄ずいの identity の決定に関与するクラスB MADSボックス遺伝子の発現パターンが変化することであることを明らかにした。今回、pistillody系統と正常系統の幼穂由来cDNAサブトラクションの結果、Ae. crassa 細胞質ミトコンドリアゲノムに存在するorf256-coxIキメラ遺伝子およびnad1-ND6キメラ遺伝子をミトコンドリア原因候補遺伝子として同定した。
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© 2006 日本植物生理学会
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