抄録
【目的】我々はこれまでに、ラン藻由来のFBP/SBPaseを葉緑体で発現させた形質転換タバコ (TpFS) は光合成能が上昇し、生育速度および乾燥重量が増加することを明らかにした。そこで光合成能増大および収量増大に関わる遺伝子群を網羅的に解析することを目的とし、本研究ではFBP/SBPaseをシロイヌナズナ葉緑体で発現させた形質転換植物(ApFS)を作出し、マイクロアレイ解析およびreal-time RT-PCR解析により発現に変動の見られる遺伝子群の探索を試みた。
【方法・結果】FBP/SBPaseの導入によりFBPase活性が野生株の3.3倍に増加したApFS-2の光合成速度は野生株の1.7倍に上昇していた。また、野生株に比べて生育が早く、9週齢における湿重量は野生株の1.7倍に増大していた。これらの結果から、シロイヌナズナにおいてもタバコと同様の表現型を示すことが明らかになった。そこで、生育に差が見られる直前(5週齢)の植物体の胚軸、ロゼッタ葉の幼葉、成葉の葉脚および生育に差が見られる7週齢の植物体のロゼッタ葉よりそれぞれの総RNAを抽出し、DNAマイクロアレイ(22 K, Agilent)により解析を行った。現在、2.0倍近い増加が認められる15個の遺伝子発現量をreal-time RT-PCRにより詳細に検討している。